トラウマを超えて成長していくために
私が、ポジティブ心理学関連で、大好きな言葉の一つが、PTGです。 PTGとは、ポスト・トラウマティック・グロースの略語で、
日本語でいうと、心的外傷後成長です。
人は、簡単に、「あれって、トラウマなんだよね~~。だから、できない~~」のように、
小さなことでも、そう言ったりしますが、
真のトラウマとなるべき出来事だったとしても、
それを超えて、人格的変容と言えるような成長を遂げることができるのです。
『ポジティブ心理学が一冊でわかる本』の中で、
イローナ・ボニウェルは、PTGを成し遂げるための3つの条件を書きました。
それは、以下のようなものです。
① 人生全体として、起きた出来事の意味を理解しなおす。
② 逆境に対して、自分で態度を選択できることを知る。
③ 人からの支援が不可欠。
これに関して、
以下のような質問が、 私が監修をおこなった通信教育の受講生のお一人から来ました。
「②の意味を、もう少し詳しく解説してください」
その質問に対して、答える形で、
記事を起こしてみますね。
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【回答】
質問ありがとうございます。
PTGを起こす2番目の条件、
「態度を選択することができると知る」というのは、
「~~が起こったからどうしようもない」
「何もできない」
ではなく、
「態度を選択できると知る」です。
もちろん、今は、とりたいような態度をとることはできないかもしれません。
でも、「選択肢があることを知って」おくのです。
「こうしたらいいのは、頭ではわかる。
でも、今はできない。
でも、いつかできるようになるかもしれない。
ならないかもしれない。
でも、PTGという現象があるんだな・・・・・・」
こういうことを知っておくか、
知らないかでは、ぜんぜん、違います。 もちろん、渦中のときは、
それどころでありません。 おもいっきり嘆くことが、
悲しい出来事があったときには、
かえって回復を早めるという実験結果もあります。
そして、それと同時に、 もしそれが、何年も、何年も引きづっているとしたら、
たとえば、ずっと落ちこんで部屋にこもる、人に会わないなどが、続いているとしたら、
もしかして、それ以外に取る態度があることを知っておくことは、
とても大事でしょう。
そして、それは選択の問題なのだと知ることは、 とても有益なことでしょう。
それが、PTGを起こす②番目の要因ということです。
そして、それには人からの支援が欠かせず(③)、
そして、出来事の意味を人生全体で見直す(①)ことができれば、 PTGを起こすことができるということでしょう。 日本のことわざに、「艱難、汝を珠にす」という言葉があります。 PTGと聞くと、私はそのことわざを思い出します。
内容を深めるためのいい質問をありがとうございました。